受講料) 10,000円
キャンパス名 )
大学名) 淑徳大学
教材費)
曜日) 月曜日
期間)2月9日~3月23日
時間)13:15~14:45
回数) 5

講座名) 2014年度【A-253】
「中国」を読む/考えるIII ー現代中国・台湾の社会と文化ー

講座詳細) 中国は現在、同時代的にも、政治的・経済的な大国として、また、さまざまな局面において、世界の動向を左右する存在として、その台頭には、きわめて著しい ものがある。歴史的な経緯を振り返るなら、中国は、古来、日本との深く、特別な関係を有する上に、取り分け、近代以降は、日清戦争後の台湾の植民地化に始 まり、日本の中国侵略や日中戦争など、現在にもなお、その禍根を残す、軋轢と葛藤、衝突という、不幸な歴史も経験してきた。翻って、現在では、驚異的な経 済成長に次いで、その光と影が炙り出され、体制的な問題に起因する諸問題が露呈されるとともに、新たな政治大国化を目指した、海洋進出のような覇権的な行 動も目立つようになった。かくして、さまざまな相互依存の深まりとともに、より広くは東アジア全体が、国際的に見ても、北米やEUなどと並んで、最も重要 な地域圏となるに至る一方で、新たな亀裂も兆しているやに見受けられる。また、この地域の国際関係を理解するためには、特殊な歴史的背景を背負った、台湾 や香港に関する視点も、殊の外、重要である。こうした全般的な状況と併せて、文化的な現象に眼を転じるなら、第5世代などに代表される中国映画の活況、文 字どおり世界文学の最前線とも言うべき、中国語圏文学の台頭など、世界的・同時代的にも、注目に値する興味深い動向が存在する。加えて、社会主義・共産主 義思想の魅力や影響力の退潮の空隙を埋めるべく、儒教の復興や宗教ブーム、また、村上春樹作品や日本のアニメの高い人気など、社会変容を反映した多様な現 象も見受けられる。そうした社会的・文化的な諸相にも留意しながら、隣国の現在とその実情を理解する縁を提供したい。

講師名) 伊東 貴之(国際日本文化研究センター・総合研究大学大学院教授) 1962 年生。国際日本文化研究センター・総合研究大学院大学教授。中国近世思想史、日中比較文学・思想を専攻。